ペットフードの添加物と安全性について獣医師が解説


 

ペットフードと添加物について考えたことありますか?

 

「ペットに添加物はやっぱりよくないの?」

 

私はこのような質問をよく受けます。

 

昨今の健康ブームによって、添加物の弊害について知る機会が増えたと思います。

 

愛犬家なら多くの方は

「うちの子にも食品添加物による弊害があるのではないか?」

と考えるものです。

 

ここでは、ペットフードの添加物の関係性や、間違いのない考え方についてお伝えします。

 

添加物についてしっかり理解することと、考えすぎないようにすることがポイントです!

 

 

食品添加物について理解していますか?

 

そもそも「食品添加物」についてどれほどの知識をもっていますか?

 

「なんとなくイメージが悪い」

「天然なものと化学的につくられているものがある」

「コンビニ弁当などでよく使われている」

 

といった回答を得ることが多いです。

 

それらはあくまでもイメージであり、ざっくりとした知識です。

 

それでは実際、食品添加物とはどのようなものなのでしょうか?

 

ここでは具体的な食品添加物の種類にまでは触れませんが(別の記事にてお伝えします)、

添加物の効能について触れていきます。

 

「添加物」というものは

 

感覚的利用:色、食感、香り、硬さ

技術的利用:結合剤、ゲル化剤など

栄養的利用:ビタミン、ミネラルなど

 

といった効能があり

 

添加物に属する「保存料」とは腐敗や劣化、変色を遅らせるために使用される物質です。

 

手作り食を与えている飼い主さんも増えていますが、

腐敗してしまったものを気づかず与えることで食中毒を起こす子もいます。

手作り食で栄養バランスを崩してしまって病気になりやすくなる場合もあるのです。

 

これらは添加物を利用するメリットが見えるパターンです。

 

つまり、食品添加物とはもともと悪い目的で作られたものではなく

「正しく適度に」使用することで効果を発揮するものなのです。

 

 

ペットと添加物の関係性を理解しましょう

 

ペットと食品添加物の関係ですが、基本的には人間の場合と変わりありません。

 

摂りすぎはよくありませんし、少量であれば大きく気にすることはありません。

 

ただし、例外もあります。

 

これは個人的に経験した症例ですが

5歳齢のミニチュアシュナウザーが皮膚の赤みや痒みに悩んで通院していました。

 

数年にわたり症状が続いているようです。

 

ミニマムデータベースとしての血液検査やレントゲン検査をしたうえ、皮膚検査も実施しましたが、大きな異常は認められませんでした。

 

感染性や内分泌性の皮膚病ではないこと、犬種や皮膚症状の発症部位から、食物アレルギーの可能性を疑います。

 

食事療法として、食物アレルギーの療法食をトライしました。

 

Hill’s™の「z/d

ROYAL CANIN®の「低分子プロテイン」

 

しかし、おやつもなし、療法食1本で食事管理しても

皮膚症状はおさまりませんでした。

 

そこで、思いっきり食事管理の考え方を変え、

ドッグフードからゆでた肉や野菜などの天然食材に切り替えてみることにしました。

そのほか、生活環境などはほとんど変えていません。

 

すると、皮膚の症状は一週間もしないうちに表れなくなりました。

食材を利用した食生活にすることで、そのあとも皮膚の症状に悩むことなく生活しています。

 

ここで言いたいのは、決して療法食が劣っているというわけではなく、

このような天然食材を利用した選択肢もあるということです

 

これらの療法食にも酸化防止剤(BHAや没食子酸プロピル)や保存料(ソルビン酸カリウム)は含まれています。

100%のことは言えませんが、食品添加物からくるアレルギー反応も否定はできないということです。

 

 

 

添加物のない自家製食事を作ってみる

 

ドッグフードを利用しない場合、自家製食事を作ることになります。

 

成犬に対する自家製食事について考えましょう。

 

AAFCOの許容範囲で原材料の栄養バランスを示すと

 

加熱調理済み炭水化物・・・58%

調理済み肉(肉、魚、レバーなど)・・・29%

脂肪(牛脂、鶏脂、魚油、植物油)・・・2%

繊維(高繊維シリアル、野菜で調製)・・・7%

骨粉・・・1%以下

塩化カリウム(食料雑貨店などで塩の代替品として入手できる)・・・0.2%

 

このバランスを再現することは、実際にはとても難しいことです。

 

しかし、一つの指針として理解してもらえればと思います。

 

自家製食事は間違った利用をすると栄養不足や栄養過多、食中毒につながる可能性もあります。

 

しっかり勉強して理解したのちにトライしてみましょう。

 

犬や猫の自家製食事については別途記事を作成しますので、ご覧ください。

 

 

ペットフードの添加物との上手な付き合い方とは?

 

最近の健康ブームにより、添加物の弊害が多くの人に知られるようにいなりました。

 

逆に、添加物の有用性に関する理解が乏しくなってきており

 

「絶対無添加」

「絶対天然由来」

 

という思考すら誕生するようになりました。

 

では「絶対無添加」「絶対天然由来」という考え方は本当に正しいのでしょうか?

 

私は少なくとも違うのではないかと思います。

 

重要なのは

 

「自分自身と愛犬愛猫に対するマインドレベルを近づけること」です。

 

たとえば、

「自分の食事はどうでもいいから、とにかくうちの子にはいいもの食べさせたい!」

という大の愛犬家の方

「犬よりも自分自身の健康の方が大事だからペットのエサは安いものにしよう」

という考え方の飼い主までさまざまだと思います。

 

しかし、これらはとても極端な考え方だと思います。

 

同じ時間、同じ空間で生活しているパートナーである以上、

そのマインドレベルのギャップを埋めてバランスをとるべきです。

 

添加物や食の安全に関しても、飼い主と愛犬愛猫に同じような基準を設けます。

 

「『わたしたち』はトランス脂肪酸の入った食品を食べません。」

「『わたしたち』は合成着色料を含んだ食品を選びません。」

 

というように『わたしたち』という考え方で暮らすといいでしょう。

 

お互い同じ水準で決めることにより、関係にバランスが保たれ、信頼関係まで構築されていきます。