犬のカーミングシグナル 〜犬の気持ちを理解する方法〜


犬の「カーミングシグナル」とは?

「カーミングシグナル」という言葉をご存知でしょうか?

相手に落ち着いて欲しい時や、自分が落ち着きたい時に表れる行動のことを言います。

犬は基本的に争いを好みません。カーミングシグナルという行動を使って争いを避けています。

犬は言葉を発することはできませんが、行動でコミュニケーションをとっています。表情や仕草、鳴き声などから多くのことがわかります。

ここでは、愛犬との日頃のコミュニケーションに役立つカーミングシグナルをご紹介します。

 

犬の代表的なカーミングシグナル

 

●鼻先を舐める行動

意味;「落ち着いてください。」「緊張しています。」

解説;飼い主に怒られた時や恐い犬が近づいてきた時に鼻先をペロっと舐める時は緊張しているサインです。

アドバイス;人間がこの行動を真似するのは難しいですが、犬の行動をみて感情を読み取ることに利用しましょう。

 

●顔や目線をそらす

意味;「あなたに敵意を抱いていません。」「落ち着いてください。」

解説;相手が急に近づいてきた時や初対面の相手に対して、顔を背けるこうどうをとります。相手に余計なプレッシャーをかけないように顔や目線をそらしています。

アドバイス;初対面の犬に対しては、人間がわざと一回顔を背けると、相手の犬は緊張がとれて安心するかもしれません。恐がっている犬に使うのも効果的です。

 

●フリーズする

意味;「恐がらなくていいよ。」「落ち着いてください。」

解説;他の犬に匂いを嗅がれている時や自分が怒られた時に全身をじっと固めます。立っている状態や座っている状態、伏せている状態などを維持します。

アドバイス;相手の犬が興奮している時や恐がっている時に、人間も全身を固めて動かずにいると解決することがあります。

 

●ゆっくり動く

意味;「恐がらなくていいよ。」「落ち着いてください。」

解説;相手が近づいてきた時や自分が怒られた時にゆっくりとした行動をとることがあります。相手を興奮させない効果があります。

アドバイス;犬とスキンシップをとる時、相手が興奮しているならば、人間もゆっくりとした行動をとりましょう。

 

●座る

意味;「落ち着いてください。」「不安です。」

解説;相手が興奮状態の時や怒ってきた時に表れます。不安だから落ち着いて欲しい時に表れます。

 

また、自分が興奮状態になった時に落ち着こうとする時にも表れます。

アドバイス;相手の犬が興奮状態の時に一度目の前で座ってみましょう。犬の興奮状態が解消される時があります。

 

●伏せる

意味;「落ち着いてください。」「恐がらなくていいですよ。」

解説;不快や不安に感じている相手がいる場合、落ち着かせる時に表れます。

 

相手の犬が恐がってなかなか近づいてこない時にも表れます。

 

「座る」よりも意味が強いカーミングシグナルです。

アドバイス;恐がっている犬とスキンシップをとりたい場合は、少々動きが大きくなりますが人間も伏せてみると効果的です。

 

●あくびをする

意味;「不快に感じています。」「落ち着いてください。」

解説;初対面の犬や人間からスキンシップをとられている状態や不快な環境に置かれた時に表れます。

 

動物病院や嫌いな犬や人がいる場面でも見られます。人間でいうと深呼吸に近い行動だと考えられます。

 

また、相手が落ち着きのない状態である場合、落ち着きを促すためにあくびをする場合もあります。

アドバイス;犬が人間の顔を見ている時にあくびをすることで、相手の犬を落ち着かせることができることもあります。

 

●匂いを嗅ぐ

意味;「敵意はないですよ。」

解説;急に犬が近づいてきたり攻撃的な犬がいたりする場合に、地面の匂いを嗅ぐ時は、このような意味を示しています。

 

相手を意識しながらの行動なので、視線は相手に向いている場合が多いです。

アドバイス;人間が真似することは難しいですが、犬が匂い嗅ぎした場合は「敵意はないよ」という意味で捉えることができます。

 

●尾尻を振る

意味;「興奮しています。」「降参です。」

解説;飼い主がよく愛犬を叱る場合、叱られる前兆として尾尻を左右に振ることがあります。

 

敵意や喧嘩をする意思はないことを伝えます。

アドバイス;人間が真似することは難しいでしょう。

 

犬が尾尻を左右に振っている場合にカーミングシグナルとして理解しましょう。

 

●排尿する

意味;「敵意はありません。」

解説;他の犬がいる状態で排尿する時は、他の犬に対して敵意がないことを伝えたり、自分の存在を示したりしています。

 

尿の臭いは、嗅覚に長けている犬にとっては多くの情報があります。

 

他の犬に対して敵意がある場合、容易に自分から排尿して情報を明かすことはしません。

アドバイス;人間が真似するのは難しいでしょう。

 

●カーブを描きながら近づいていく

意味;「敵意や攻撃の意思はないですよ。」

解説;攻撃の意思がある場合や挑発する時には真っ直ぐ他の犬に向かって近づくことが多いのですが、

円を描くようにカーブしながら近づく行動は逆に親睦を深めたい時や相手に対して安心感をもたらしたい時にする行動です。

 

人間でも同様で、犬が可愛いからといってストレートに近づくと、犬は敵意があると思って咬みついてくることもあります。

アドバイス;特に初対面の犬や臆病な犬に対しては、

真っ直ぐ近づくのではなくカーブを描くように近づいていくと相手の犬も恐がらずに接してくれるようになることがあります。

 

●間に割って入る

意味;「止めようよ。」「それ以上しないで。」

解説;犬同士や人間同士の喧嘩が起きている場合、犬がその間に割って入ることで、喧嘩をやめさせようとします。

 

また、自分に対して不快なことをしている相手に対して「それ以上したら・・・?」という牽制の意味を込めて割って入ることもあります。

アドバイス;愛犬同士や愛犬と人間の間に争いが疑われる場面に遭遇した場合、間に割って入ると状況が良い方向に向かう場合があります。

 

 

犬のカーミングシグナルで問題行動を解決しましょう。

 

愛犬が示すカーミングシグナルをしっかり読み取って、相手の感情を理解した上でスキンシップをとってあげましょう。

 

時には飼い主も犬と同じようにカーミングシグナルを行動で示し、愛犬を落ち着かせたり安心させたりするといいでしょう。

特に小型犬は周りの犬や人間が大きくみえるので、大型犬と比べて恐怖心や攻撃性が大きくなる傾向にあります。

 

より一層カーミングシグナルが重要になってきます。

またカーミングシグナルを理解することは愛犬の問題行動を治療・予防することにもつながります。

飼い主がリーダーシップをとって愛犬を問題行動や思わぬ事故から守ってあげましょう。