犬のストレスサイン 〜獣医師が使う愛犬の不快ストレスの見つけ方〜


犬のストレスとは?

人間と同じように、犬もストレスを感じます。

人間と犬とでは、物事の感じ方や捉え方が異なる点も多いので、

飼い主さんとしては「犬にとってのストレスとは何か?」を知る必要があります。

犬のストレスサインをいち早く見つけてあげることで、愛犬を病気や怪我から守ることができます。

ここでは、愛犬家なら知っておきたい「犬のストレスサイン」についてわかりやすく解説します。

 

犬のストレスには二種類ある

ストレスには「快ストレス」と「不快ストレス」があります。

「快ストレス」とは、熱意ややる気から発生するストレスであり、ポジティブな考え方から生まれるものです。

対する「不快ストレス」とは、嫌悪感や倦怠感などから生まれるストレスで、

長期的な労働や悪い人間関係などが原因となります。

一般的に「不快ストレス」が多くなると精神的に悪影響を及ぼすとされています

 

犬のストレスサインの代表例

犬が「不快ストレス」を受けると「ストレスサイン」という行動をとります。

ストレスサインを知ることで、愛犬のストレスにいち早く気づいてあげることができます。

ストレスを常に受けていると「犬によくある行動」と捉えてしまい、ストレスサインとして見ることができなくなってしまうことがあります。

ストレスサインを正しく理解して愛犬のストレスマネジメントができるようになりましょう。

ここでは代表的なストレスサインをあげていきます。

 

●体の同じ部分を舐め続ける

脚先や腹部など、特定の部分をしきりに舐め続ける行動は、多くの場合ストレスを抱えているサインです。

この行動を続けさせてしまうと「舐性皮膚炎」や「肉芽腫」という皮膚の疾患を引き起こしてしまいます。

わんちゃんの健康にも害をもたらすストレスサインなので、いち早く原因を取り除く必要があります。

 

●自分の尻尾を追いかける「テイルチェイシング」

自分の尻尾を追いかけるようにぐるぐる回る行動は「テイルチェイシング」といいます。

子犬の場合は好奇心旺盛で自分の尻尾であそぶことがありますが、

自分の尻尾を尻尾として認識している成犬がそのような行動をとることは異常と言えます。

これは寂しかったり、退屈であったりすることが原因とされています。

この行動を癖にしてしまうと、なかなか治りません。

最悪の場合、自分の尻尾を咬みちぎってしまうこともあります。

手術が必要になることもありますので、

テイルチェイシングが見られたらなるべく早めにストレスの原因を特定して排除しなければなりません。

 

●震える(振戦)

人間でも体が冷えたり、恐怖に苛まれたりすると体が震えますよね?

犬も同じです。

緊張や恐怖といった精神的ストレスや体の冷えを感じると体が震えてしまいます。

 

●同じ場所を行ったり来たりする

ストレスのかかる狭い環境に長時間いると、精神的ストレスから同じ場所を行ったり来たりする行動をおこします。

ケージなどの中に入れっぱなしにしてしまうとこのような行動をみせます。

 

●あくび

人間でいうあくびは、眠い時によくでます。

緊張している時にはあまりでませんよね?

しかし、犬ではリラックスしている時よりも、緊張などのストレスを受けている時によくあくびをします。

あくびをすることで、一瞬ですがストレスを忘れようとしているみたいです。

飼い主がリーダーシップをとれておらず、犬が思い通りに行動できていない時などに表れます。

しつけをしっかり行いリーダーシップをとることで、愛犬も安心してすごすことができます。

 

●攻撃行動

より大きなストレスを抱えると、時には咬み付いたり引っ掻いたりと「攻撃行動」をおこすことがあります。

ストレスサインを見落としてしまい、多くのストレスを積み重ねてしまうと、飼い主をも襲ってしまうこともあるのです。

攻撃行動まではいかなくとも、タオルやおもちゃを引きちぎったり、

乱暴になったりすることも大きなストレスを抱えているサインと言えます。

攻撃行動に走る前に、ストレスの原因を除去しましょう。

 

●息苦しそうな呼吸(強いパンティング、浅速呼吸)

舌を出しながら「ハァハァ」と浅い呼吸をしている時があります。

運動したり暑い日によくみられる行動で、これには体温調節の役割があります。

犬は人間ほど汗をかきません。

また、被毛に覆われているため人間よりも体温調節を苦手とします。

愛犬がパンティングしない快適な温度をみつけてあげて、

人間だけが快適なのではなく、愛犬も快適な温度を理解して生活してあげましょう。

また、パンティングは呼吸器疾患や心疾患、体の痛みでも出ることがあるので注意が必要です。

 

●病的症状としてのストレスサイン

行動学的な変化だけではなく、病的な症状としてもストレスサインは表れます。

・嘔吐や下痢をする。
・食欲減退
・脱毛症

これらの変化は大きな「不快ストレス」を受けるとより顕著にみられます。

 

ストレスサインを見つけてストレス解消!

愛犬のストレスサインについてわかりましたか?

ストレスは病気につながるもの。

いち早くストレスサインを見つけて解消してあげることは、病気の予防に繋がるのです。

 

具体的なストレス解消法については

犬のストレス 〜獣医師が伝える愛犬のストレスサインと5つの発散法〜

をご覧ください。