犬の散歩しつけ術。問題行動を散歩で解決する方法とは?


犬の散歩でしつけする?

 

犬のしつけでお悩みの飼い主さんはたくさんいます。

しかし、そのしつけの多くは毎日行う「散歩」でできてしまうということは意外と知られていません。

「散歩」「食事」「接触(スキンシップ)」

この3つは愛犬にとっては毎日繰り返されるイベントです。

特に「散歩」にはイベントの内容が盛りだくさん。

しつけの場には最適なのです。

 

散歩をただ一緒に歩くだけのイベントになっていてはもったいないと思います。

散歩の捉え方ややり方を変えるだけで、愛犬とのライフスタイルは劇的に変化します。

 

ここでは、愛犬家には知っておいてほしい「散歩しつけ術」をまとめました。

 

 

 

散歩に「コマンド」を

 

散歩の中にはさまざまなイベントがあります。

 

・散歩の時間がやってくる

・飼い主が動き出す

・リードをつける

・玄関を出る

・往路を歩き始める

・交差点に差し掛かる

・路肩にある草むらや電柱

・他の人間や犬とすれ違う

・排便排尿をする

・折り返し地点

・復路を歩き始める

・家にたどり着く

・リードを外す

・散歩を終了する

 

これらのイベントひとつひとつに、実はしつけのチャンスがあります。

イベントごとに、しっかり「コマンド(指示)」を出すのです。

飼い主は本来、愛犬に対してリーダシップをとっていなければならない存在です。

リーダーシップの基本は「コマンドを出す」ことです。

コマンドを出して、従えば褒める。

この繰り返しによって、愛犬に安心感や信頼感が生まれます。

 

それではどのようなタイミングでどのようなコマンドを出せば良いのでしょうか?

 

脚側時間(きゃくそくじかん)と自由時間

 

散歩は楽しくあるべきものですが、同時に安心安全でなくてはなりません。

動物救急病院ではよく散歩中のトラブルで来院する子も多く、その多くは間違った散歩の仕方で発生しています。

楽しいはずの散歩が大惨事になってしまわないよう、散歩にメリハリをつけましょう。

ではどのようにメリハリをつければ良いのでしょうか?

大切なのは「脚側時間」と「自由時間」を使い分けることです。

 

それぞれの時間の特徴をあげていきます。

 

〜脚側時間〜

・人や車が多い道路やその他危険な場所。

・飼い主がコマンドを出して愛犬が指示に従う。

・飼い主の横を離れずに歩く、またはコマンドを出せばいつでも横につくような状態。

 

〜自由時間〜

・大きな公園など、安全が確保できる場所。

・飼い主とスキンシップをとる時間。

・他の散歩犬とスキンシップをとる時間。

・愛犬が自由に運動できる時間。

・愛犬が自由に匂い嗅ぎをすることができる時間。

 

これらの時間を明確に使い分けることで、楽しくかつ安全安心な散歩が実現します。

また、リードも使い分けましょう。

脚側時間では短いリードを使用しますが、自由時間では長いリードや伸縮リードを利用して運動しやすいようにします。

 

コマンドを出すタイミング

 

脚側時間では多くのコマンドを出しますが、具体的にはどのタイミングでコマンドするのでしょうか?

基本的には上で説明したように、散歩中でのイベントごとにコマンドを出します。

ここではコマンドを出すタイミングとしての具体例を紹介します。

 

 

  • 拘束具(首輪やハーネス)をつけるときのコマンド

 

散歩中には必ず拘束具を使用します。

拘束具を取り付けるときには、終始愛犬を落ち着かせましょう。

いきたいという気持ちが走ってしまうと、そわそわしてしかたありません。

愛犬を一度冷静にさせるために、お座りした状態で拘束具をつけましょう。

拘束具をつける前に「お座り」で座らせます。

座った状態で拘束具を装着できたら褒めましょう。

装着している最中に立って動き出したら、装着をやめて再度「お座り」とコマンドを出します。

また、拘束具を装着した後にすぐ立って動き出す子もいます。

その場合は、再度「お座り」で座らせて、同様にリードを装着します。

これを毎日繰り返すことで、拘束具やリードを装着するときも終始落ち着いていられるようにすることができます。

装着時も「自由時間」ではなく「脚足時間」として捉えましょう。

 

 

  • 散歩に出かける前のコマンド

 

散歩に出かける前に、ハイテンションになってしまう子は多いですが、その状態で散歩に出かけるのは危険です。

散歩を始める時に興奮状態だと、歩き始めて思わぬ事故を起こしたり、飼い主のコマンドを聞かなくなったりすることがあります。

散歩に出かける前にコマンドを出して、一度冷静にしましょう。

それを続けていれば、愛犬は冷静にならないと散歩に行けないと学習してくれます。

たとえば…玄関から外に出る前に、一度「待て」と指示します。

飼い主が靴を履こうが、玄関から一歩外に出ようが、じっと待っていられたら「ゴー」で出発しましょう。

散歩から帰って玄関を超えるときも同様にしつけます。

 

 

  • 愛犬が飼い主より前にでてしまった時

 

脚側歩行をマスターしたい場合は、愛犬が飼い主より前を歩いてしまった時には一度止まって、「座れ」や「待て」とコマンドを出します。

しっかり座れたら褒めてあげましょう。

また、広義の脚側歩行として考えるのであれば、愛犬は飼い主にとってどの位置にいてもいいのですが、

いざという時に「バイミー!」などのコマンドで隣につけるようにしましょう。

愛犬がリードを引っ張ったり、遠くに行ったりしようとした時にコマンドを出して、

しっかり隣についてくれたら褒めてあげましょう。

 

 

カットオフシグナルを覚えさせよう

 

散歩中でのしつけでどうしても必要になってくるのが「カットオフシグナル」です。

たとえば、他の散歩犬とすれ違うときに「待て」「座れ」などのコマンドを出したとしても、

距離が近づくにつれて興奮状態となり飛びついてしまうこともあるでしょう。

コマンドでもなかなかいうことを聞いてくれないほど興奮状態になっている場合は「カットオフシグナル」を使います。

カットオフシグナルは「今の行動をやめなさい!」という意味として使います。

これは日頃の生活で身につけさせてください。

号令としては「やめ!」「NO!」などが適しているでしょう。

決して怒ったように言ってはいけません。大声でコマンドを出すと余計に興奮してしまうからです。

噛み癖や異食癖のある愛犬が、何か噛んではいけないものを噛んでいたり、動物のうんちを食べたりしようとしている場合、

それらの行動をとっている最中に「やめ!」や「NO!」と言います。

こちらに意識を向けさせるためにはっきり発声しましょう。

これでこちらに意識を向けて行動をやめたら2秒以内に褒めます。

しかし、これだけでは行動をやめない子もいます。

その場合は、背後から後ろ足の付け根の部分や尻尾の付け根の部分に軽く触れると驚いてこちらを振り向きます。

それと同時に行動をやめたら褒めましょう。

こうすることで、「やめ!」「NO!」といった号令がカットオフシグナルとして使うことができるようになるのです。

(身体を触って驚ろかせると、噛み付いてくる子もいますので、注意してください。)

カットオフシグナルで他の犬などから意識が外れたら、再度「待て」「座れ」などで冷静を維持させましょう。

 

「散歩のしつけ」ではなく「散歩でしつけ」

 

これまでお伝えしてきたように、散歩には多くのイベントがあり、そのイベントごとにコマンドを出すことで、しつけることができます。

同時に飼い主さんのリーダーシップを鍛えることもできます。

よく「散歩のしつけをしたい」という声をいただきますが、

どちらかというと「散歩でしつけをする」という感覚でいた方が、日頃の生活のしつけもとてもスムーズにいきます。

愛犬を安心させられる飼い主となれるよう頑張りましょう!