ねこのトリセツ 〜ネコ白血病(FeLV感染症)〜


ねこのトリセツ 〜猫白血病(FeLV感染症)〜

猫の予防医療動物夜間救急での治療で

FeLVに感染しているネコたちを診ることが多いので

『ねこのトリセツ』編纂中の身として

情報共有できればと思います🐱

 

● FeLVの疫学と感染経路と感染率

・FeLVは世界中に広まっており、全世界の1-2%のネコたちが感染しています

全米でも2-3%のネコで感染の可能性があります。

 

・FeLVはネコ科の動物にしか感染しないので、人獣共通感染症ではありません。

 

・ウイルスということもあり、ネコの生体外で数時間と生きることはありません。基本は数時間で死滅します。

 

・感染経路は唾液、鼻汁、糞尿、母乳であり、大量にウイルスが排泄されます。

お互いのグルーミング中や咬み傷などからの感染も多いです。

 

感染率は高くはありません

ネコ同士、長時間密接に関わると感染するリスクが上がります

しかし、十分にウイルスにさらされれば、健康なネコにも感染する可能性があります。

また、成猫より子猫の方が断然感染率は高いです

 

・FeLVに感染している妊娠ネコのこどもはFeLVをもっている可能性があります。

不妊であるか、出生前の死亡が大部分です。

 

● FeLVの病態と症状、致死率

FeLVに曝されたネコの約30%はウイルスを除去できるという報告があります

約70%のネコはウイルスを除去できず、半永久的に感染状態になります。

症状が出るリスクも高いです。

 

・FeLVはネコの免疫系やその他さまざまな細胞に侵入して、増幅します。

細胞のDNAにウイルスの核酸が挿入されることで、細胞が癌化、つまりがん細胞になってしまう可能性があります。

FeLVでもっとも多い腫瘍がリンパ腫です。(リンパ球という白血球の腫瘍)

 

FeLV感染は免疫機能の低下を引き起こします。

健康なネコでは通常おきない感染を引き起こしてしまう可能性があるのです。

病気や感染に弱くなります。

 

・多くは深刻な貧血をもたらします。

 

・腸炎、神経疾患、眼球疾患なども引き起こす可能性があります。

 

・研究により、感染したネコの8-9割が診断から3-4年以内に亡くなると報告されています

 

・一般症状の代表例はこちらです。

   – 食欲減退

   – 体重減少

   – 慢性の発熱

   – 歯肉炎や口内炎→食欲減退にもつながります。

   – 慢性の下痢

   – さまざまな感染(呼吸器系、皮膚、膀胱など)

   – 発作や行動異常などの神経症状

   – 中絶、不妊など

 

● FeLV感染症の診断・治療・予防

・ウイルスタンパク質を検出する検査です。信憑性は非常に高いです。

 

・感染した場合、ウイルスを排除する治療はありません。

 

・FeLVワクチンがあります。

FeLV感染ネコと同居している場合は推奨されます

ワクチンは100%感染を防げるわけではありません。

 

・ワクチン開発などが理由と言われているが、過去25年間でFeLV感染ネコが大きく減少してきました。

 

★ 動物救急でのFeLV

動物夜間救急での治療経験でも

FeLV感染による患者さんはとても苦しい状態です。

 

特に「重度貧血」「発作などの神経症状」は

苦しい状況になります。

特に重度貧血になると、

輸血をしてもその場しのぎになってしまいますし、

それこそ救急ですら対症療法と変わらなくなってしまうのです。

 

❤︎ FeLVで大事なこと

やはりFeLVとわかったら、

ほかの同居のネコたちに感染する危険性が無いようにすることが肝要です。

 

救急の経験でもものすごく感じますが、

とても辛い闘病生活になります。

 

波動治療や自然療法により

FeLVの病態や症状の部分が改善される例も見たことがあるので

それ自体が根本的な治療につながる可能性はどれほどあるか

今後の治療研究に期待がもてます。

 

いずれにせよ病気になってしまっても

それを悪と捉えるのではなく

あくまでも自然現象として捉え

ともに寄り添っていくことが大事だと考えます。

 

Cornell Feline Health Center

VCA

 

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動物0次診療®︎ 代表

予防獣医師・救急獣医師 

直良拓朗